難関中学に合格した芦田愛菜さんは低学年の内に300冊の本を読んだそうです。
一般的に中学受験を目指す子には沢山の本を読ますと良い、というフレーズをよく耳にしますよね。
しかしその一方、読書と国語の成績は関係ない、と主張している先生方もいます。
実際のところ、どうなのでしょうか?
今回の記事は〝読書は中学受験に有効なのか?〟をテーマに焦点を当てて解説します。
中学受験に読書が効果的な3つの理由
結論から言ってしまうと、沢山の本を読むことは中学受験に間違いなくプラスになります。特に低学年や、幼少時代から本に親しんでいくと良いです。
活字に慣れる重要性
中学受験の国語の文章問題はひたすら長文です。
普段、本を読まない子だと、まずその文字数に圧倒されます。また活字を読みなれていない子は文章を読むスピードも遅く、長文を読み終わるのにも時間がかかってしまい、それだけで時間的ハンデになります。
中学受験では国語以外の教科(社会や理科)も長文で出題される傾向にあります。
漢字・語彙力の強化
読書をしていると、知らない漢字や熟語、慣用句が書かれています。読めない、意味が分からない、とその部分を読み飛ばしてしまったら学習になりませんが、分からない漢字が出たら親に聞く、または辞書で調べる癖をつけさせてあげて下さい。
親も面倒臭がらずに答えてあげましょう。万が一、親が分からない慣用句があっても、現代ではスマホやタブレットで簡単に調べられるので安心です。
子供も大きくなるにつれ、自分でタブレットで検索したり辞書を引くようになります。
知識が豊富になる
読書をするということは、知識を得るということと同義語です。
なぜ空は青いのか?風はどこからやってくるのか?雨が降る理由、戦争の悲惨さ、仲間の大切さ。など読書をすることで知りえることが沢山あります。
もちろんその全ての知識が中学受験に活用できるわけではありませんが、読書によって知りえたことが出題される可能性もあります。
また読書をすることによって興味が沸き、ある分野が得意科目になることも考えられます。例えば「ファーブル昆虫記」で昆虫に興味が沸き、虫博士になって、理科の昆虫分野は得意中の得意になった、など。
また知識を得ることは、中学受験に直接関係しなくてもその子の人生に役立つことでしょう。知識を得るということは、会話が豊富になる、すなわち魅力的な子になることです。
自然と友達も増え、中学受験に間接的に有利になることもありえます。その後の大学受験、社会人になった時にもプラスの効果を生み出すことでしょう。
なぜ読書と国語の成績は関係ないと主張する人がいるのか?
前節で説明した通り、読書をすることはたくさんのメリットがあります。ただ読書と国語の成績は無関係と主張する方も一定数いるのは事実です。
それはなぜでしょうか?
読書好きでも国語が苦手、読書嫌いでも国語が得意な子がいる
読書が好きだけど読解力がない、本を読まないけれど国語が得意という子もいます。
その一点を見れば、読書=読解力の向上とは断言は出来ません。ただ本を読まないけれど国語が得意という子が幼い頃から読書をしていたら成績がさらに上がっていたかもしれませんし、それを持って読書と読解力は関係ないとは言い切れませんよね。
また読書が好きだけど読解力がない子は読書の仕方を一工夫すれば読解力の向上に結び付くかもしれません。(効率良い読書の仕方は後半で説明します。)
テクニックを重視している
読書と国語力の関係を否定している方の多くはテクニックを重視しているように見受けられます。
読解力の向上には、読書より問題を解くテクニックを覚えた方が効率的だ、という主張です。
この主張は大いに当てはまります。本を読む時の受け取り方、考え方は人それぞれですが、中学受験では答えは一つです。その答えを導くには決められたルールがあります。
そのルールを覚え、答えを出すテクニックを学ぶ方が効率的だという考え方です。
ただテクニックを学ぶのは塾に通うようになる中高学年になってからで間に合います。幼少時代、低学年の内は純粋に本を楽しんで、徐々にテクニックも覚えていけば問題ありません。(逆に言えば、受験1か月前から読書を習慣つけても遅いです。)
商売上
読書で国語の成績が上がらないと主張する方の多くは、塾の講師だったり読解力の参考書を書いている先生たちが多いです。
その人達からしたら、多くの子に塾に通って欲しいし、本を買って欲しいと思うことでしょう。そうなると自分たちの利益を誘導する為に、おのずと読解力には読書よりテクニックと声だかになるのは必然ですよね。
データで見る読書と読解力の関係
2009年、教育社会学者である舞田敏彦氏は読書頻度と学力平均点のデータを公表しました。(下の表)
(出典:日経DUAL、舞田敏彦データで読み解くDUALな疑問 子どもの読書週間 新聞を読むと学力に好影響https://dual.nikkei.co.jp/article/094/45/?P=2)
今回のテーマ、読書と読解力の関係についてですが、フィクション、ノンフィクション、新聞とジャンルを問わず読書をする数に比例して成績が向上しています。
またデータから読書は国語の成績だけでなく、数学(算数)、科学(理科)にも好影響を及ぼしていることが分かります。
中学受験に役立つ読書の方法
読書が国語力に結び付かないと主張する方々も、読書を否定しているわけではありません。分からない漢字、知らない慣用句を読み飛ばし、適当に読むだけでは役に立たないよ、、ということです。
では、中学受験に役立つ読書の方法とはどういったものでしょうか?
次節からは、幼少時代から年代別によって効率的な読書の方法を解説します。(本は購入しても良いですが図書館を利用すると節約できます。)
まずは本を好きになろう(幼少時代)
子供を寝かしつける際、両親が絵本を読み聞かせる光景は昔からあり、ほのぼのとした光景の一つですよね。
まずは絵本の読み聞かせから始め、本を好きになってもらいましょう。
幼稚園や小学校に入学したら自分で本を読むようになりますが、始めの頃は本を楽しむために物語だけで良いと思います。
また大きくなっても読書=楽しいものでないと意味がありません。受験の為、本を10冊読みなさい、と無理やり読ませも意味はありません。
ジャンルのバリエーションを増やしていこう
読書習慣がついてきたら、少しづつ物語系以外の本も読むようにしましょう。図書館で10冊借りる場合、その内の2冊を動物の辞典や宇宙本などに変えていきます。
子供はどんなジャンルに興味を示すか分かりません。政治の本、歴史の本、数字の本、お魚図鑑、元素記号の本など知識系の本も混ぜてみます。興味がありそうなジャンルは多めに読ませてあげましょう。
分からない箇所はそのままにしない
次に辞書や漢字辞典を使う癖をつけさせましょう。
分からない漢字や慣用句は辞書で調べたり、親に聞いたり、タブレットで調べる癖をつけさせます。
そうすることにより読書で語彙力が増えるようになります。
登場人物の気持ちや物語の要約
本を読み終わった子供に「楽しかった?どんな内容なの?」などと親が聞いてみます。
初めの頃は物語の要約も上手く出来ずに、子供は1から10まで話そうとするかもしれません、要約の意味や、やり方を教えてあげましょう。
また桃太郎を例に出すと、「なんで鬼退治に行くの?サルはなんでお供になったの?」など聞いてみます。そうすることにより、登場人物の気持ちを推し量ったりすることが出来るようになります。
まとめ
読書は効率の良い方法をすることによって確実に学力向上に繋がります。
読書の習慣を身につける為には、子供が読書を好きになることが一番重要です。その為にも、親は読書を無理強いせずに子供がすすんで本を読むほうにしてあげて下さい。
記事の中でも触れましたが、6年生など受験間近になってから本を読み始めても遅いです。(実践的なテクニックを学んだ方が良いです。)
読書を習慣付けさせるのは子供が幼少時代から始めるようにして下さい。
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