先取り学習と言えば算数が定番ですが、実は漢字も先取り学習と相性が抜群です。
中学受験をする、しない。に関わらず漢字を覚えることは大切です。高校受験にも、大学受験にも、大人になってからも漢字は扱います。看板が読めない、読書が出来ないなどの日常的な生活にも支障が出ます。
特に中学受験を考えた場合、早期学習で漢字を取り入れると圧倒的に有利になります。
低学年の内は時間的余裕がありますが、受験が近くなると余裕はありません。一秒でも勉強する時間が欲しいのが受験生です。その際、先取り学習で漢字を完璧にマスターしていれば、漢字を覚える時間は他の勉強に費やせます。
漢字が得意な子なら良いですが、中には他の勉強は出来るのに漢字だけが苦手という子も一定数います。そういった子達は余計に漢字を学習することに、時間と労力が奪われてしまいます。
また漢字を覚えることは国語以外の科目にも有利になります。社会や理科には難しい漢字の単語がゴロゴロ出てきます。そういった漢字は読むだけでなく書く力も求められます。漢字をマスターするということは、他の科目の学力を向上する意味合いもあるのです。
勉強とは繰り返し繰り返し反復することです。漢字も同じです。
繰り返しのツールとして漢字検定を上手に活用して漢字博士を目指しましょう。
漢字検定とは?
正式名称は〝日本漢字能力検定〟と言います。
〝日本漢字能力検定〟を略して〝漢字検定〟だね
主催者は?
〝公益財団法人日本漢字能力検定協会 〟が主催しています。
協会は〝漢字検定〟の他にも、〝BJTビジネス日本語能力テスト〟〝文章読解・作成能力テスト(文章検)〟を主催。
漢字のみならず、日本語全体の普及、研究を行っています。
漢字ペディアとは?
〝公益財団法人日本漢字能力検定協会 〟は上記のテストの他に【漢字ペディア】というサイトを公開しています。
【漢字ペディア】https://www.kanjipedia.jp/
【漢字ペディア】とは、調べたい漢字を検索すると、その漢字の音読み、訓読み、画数、その漢字を使った熟語などが調べられます。
例えば、「学」という字を検索すると、漢字の読み方の他、「学」を使った言葉(学生、学府など)92件の言葉が出てきます。
また「うた」とひらがなで検索すると「歌」「唄」のおなじみの漢字の他に、「転」「弐」と言った一見すると「うた」とは読めないような漢字(18字)も出てきて非常に面白いです。
子供の使うタブレットやスマホにお気に入り登録をして入れておけば、ちょっとした暇つぶしや、宿題をやるのにも使えます。
費用は一切かかりません。
規模、開催時期、会場
〝漢字検定〟は毎年200万人以上が受けるメジャーな検定です。
〇〇検定と言って真っ先に思いつくのは、漢字検定と英語検定ですよね。
開催時期は6月、10月、1月(2月)で個人検定がお近くの会場で受けられます。団体で申し込む時は、受ける機会が増え、中学受験の塾や、公文などでも受けられます。
対応学年、出題漢字数、費用
級 | 対応学年 | 費用 | 出題漢字数 |
---|---|---|---|
10級 | 小学1年生修了程度 | 1500円 | 80 |
9級 | 小学2年生修了程度 | 1500円 | 240 |
8級 | 小学3年生修了程度 | 1500円 | 440 |
7級 | 小学4年生修了程度 | 2000円 | 640 |
6級 | 小学5年生修了程度 | 2000円 | 825 |
5級 | 小学6年生修了程度 | 2000円 | 1006 |
4級 | 中学校在学程度 | 2500円 | 1332 |
3級 | 中学校卒業程度 | 2500円 | 1607 |
準2級 | 高校在学程度 | 2500円 | 1940 |
2級 | 高校卒業程度 | 3500円 | 2136 |
準1級 | 大学一般程度 | 4500円 | 3000 |
1級 | 大学一般程度 | 5000円 | 6000 |
対応学年、出題漢字数、費用は上記の通りです。
漢字検定を受けるメリット
冒頭で述べた通り、漢字は誰もが学習することになります。最終的には2級レベル(高校卒業程度)は一般常識としても知っておかなければなりません。
中学受験をする場合はもちろん、しない子でも漢字検定を受けるメリットは沢山あります。
漢字に自信がつく
漢字検定は漢字が苦手な子こそ受けたい検定です。
勉強では一度苦手意識を持つと、克服するのは大変です。低学年の内に漢字に対して苦手意識を持つと高学年、中学、高校まで引っ張ることになりかねません。
漢字検定の低級は非常に合格率が高く、10級9級は合格率90%を超えてきます。
検定に合格すると、表彰状が貰え、漢字への苦手意識の低下に繋がります。
もちろん漢字が得意な子も、合格を積み重ねることでさらなる自信に繋がります。
漢字の定着化に繋がる
勉強と言うのは繰り返し繰り返し覚えることが大切です。
漢字を一度だけ見て覚えてしまうような子は存在しません。(漫画やドラマの世界には沢山出てきますが、、。)
漢字を先取り学習で覚える場合
①漢字検定⇒②学校 と、学校の予習になります。
学校で習ったあとに受ける場合は、
①学校⇒②漢字検定 と、学校の復習になります。
予習、復習、どちらでも構わないので、2度繰り返す、という事が重要です。塾などをしていた場合、3度、4度と繰り返していくうちに自然と漢字の記憶の定着化に繋がるのです。
漢字の勉強の仕方
低級の合格率が高いと言えど、さすがに全く勉強をしないと受かりません。
学校や塾では、ひたすら漢字の書き取りを宿題に提出されますが、漢字はしっかり身についているでしょうか?
漢字が得意ならば、その方法で問題ありません。さらなる漢字の習得を目指して下さい。
塾や学校の宿題はしっかりやっているのに、漢字が苦手だという方は覚え方を変える必要があるかもしれません。
最近、漢字の勉強方法は定番の書いて手で覚えるやり方の他、目で見て覚えるという勉強方法も話題になることが多いです。
学習ポスターを使用してのトイレ学習
何度も言いますが、勉強は繰り返しの作業です。繰り返す回数が多ければ多いほど記憶の定着化になります。
その為、漢字の一覧表をトイレの扉に貼る〝トイレ学習〟がおススメです。
トイレ学習とは、文字通りトイレにポスターを貼るだけの超お手軽な勉強方法です。 そんな簡単な方法で学力向上するの?、、、と不思議に思われる方もいるかもしれませんが、トイレ学習の効果は絶大です。 勉強は日々の積み重ねが大事です。その為には勉強の[…]
トイレ学習については上記の記事に詳しく解説してあります。
また読書をする子には、知らない漢字が出てきたら、親に聞くなり、タブレットで調べることをさせましょう。親は面倒くさがらずに教えてあげましょう。
トイレ学習&読書で漢字を調べる。だけで繰り返し作業が増えます。
①トイレ学習⇒②読書(一部)⇒③漢字検定⇒④学校
上記の流れの他に、塾などに通っていれば+αの回数を繰り返すことになります。
漢字はパーツ毎に覚える
何度やっても書き取りで漢字が覚えられない子は、漢字を全体像で捉えている可能性があります。
その場合、読めるけれど書けない。というパターンに繋がります。
漢字はパーツごと、しっかり覚えることが重要です。
〝側〟と言う漢字なら、にんべん+貝+カタカナのリという風に3つのパーツ毎に分け、区別して覚えます。
見本は見ずに書く
書き取りの宿題の場合、見本の漢字を見ながら書きますが、それだと覚える必要なく漢字が書けてしまいます。
まずは漢字は何も見ないで書きましょう。
何も見ないで書けた漢字は問題ありません。
考えても分からなかった漢字は見本を見ます。
上記をすることによって、2つのメリットがあります。
1つ目は知っている漢字、知らない漢字の判別がつくことです。知らない漢字を洗い出して、重点的に学習しましょう。
2つ目はその漢字についての意識向上に繋がります。初めから見本を見て書くのと、一度、自分で考えてみて「なるほど、この漢字はこう書くのか。」と思ってから書くのでは、その後の習得度が変わってきます。
勉強が得意なのに、漢字だけが苦手な場合(ディスクレシアについて)
稀に、勉強は得意なのに漢字だけは何度書いても何をしても覚えられない。というお子様がおられます。
その場合、隠れディスクレシアな可能性があります。ディスクレシアは日本では失読症や、読み書き障害と言われています。
症状が重いディスクレシアの場合、幼少の頃の発見に繋がりますが、症状が軽いディスクレシアの場合、ほとんどの場合が本人も周りも気づかずにやり過ごしてしまうことが多いです。
実際に勉強は得意なのに漢字だけがどうしても覚えられない子が相談に行ったところ、軽いディスクレシア(隠れディスクレシア)だったということがあります。
ディスクレシアの場合、一般的な勉強で漢字を覚えることは非常に困難です。専門のケアが必要になってきますので、お住まいの自治体の相談室、あるいは学校に特別支援級、言葉の教室が設置している場合は先生などに相談しましょう。
ディスクレシアはアメリカではかなり知られていてハリウッドの中に公言している俳優さん、女優さんが数多くいます。日本はアメリカよりディスクレシアの割合は少ないと言われていますが、それでも5%前後(文献によって前後します)なので20人に1人いると考えると少ない数ではありません。
漢字検定について まとめ
漢字検定は先取り学習で受けるならば、学校の予習として使え。学校で習った後に受けるならば、学校の復習として活用できます。繰り返しの作業が増えることにより、漢字の定着化に繋がります。
あまり知られていませんが、〝公益財団法人日本漢字能力検定協会 〟が運営する〝漢字ペディア〟は、家庭学習で親が漢字を教える役に立つツールにもなりますし、子供が楽しみながら漢字を覚えるツールにもなります。
昔ながらの書いて手で覚える漢字の学習方法で漢字が覚えられない場合は、漢字を見て覚える方法で試してみましょう。色々、試行錯誤し、お子様にあった学習方法を確立してみて下さい。
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