塾なしで中学受験は可能か?【学校別に徹底解析】

中学受験をする子はその大半が塾に通って勉強をしていますが、中学受験専用の塾の費用は6年生ともなると、年間100万以上になることも珍しくありません。正直、一般的なご家庭には年間100万円の出費は痛いと思います。

昨今、ニュースにも取り上げられるようになった【貧困の連鎖】ですが、その原因の一つに中学受験があります。裕福なご家庭の子は中学受験(小学校受験)を経て難関大学のレールが引かれています。その一方で子供の学業に多くの出費が出来ない家庭の子は苦戦を強いられています。

そこで今回は少しでも家計の出費を減らす為、〝家庭学習で中学受験は可能か?〟について徹底解析し、学校別に対策を考えて分かり易く纏めてみました。

家庭学習のみで中学受験は可能か?

結論から言うと、塾に通わず家庭学習のみで中学受験で合格することは可能です。

理由は簡単で〝現状の中学受験は少子化の影響で定員割れ状態〟だからです。

パパ
学校を選ばなければ合格間違いなしだよ
息子
行きたい学校が人気校の場合は?
パパ
学校別に考えてみよう。

一般的な私立学校の場合

ここで言う〝一般的な私立学校とは難関校以外の中学校〟です。

結論から言うと、塾なしで合格は可能です。(厳密に言うと、選ぶ学校によって難易度は変わってきます。)

ただ行きたい学校が難関校でもなく人気も低い学校の場合や、地元の公立が荒れているから落ち着いた私立の学校ならどこでも良い、などと考えている場合は問題ありません。

公立中高一貫校の場合

昨今、公立中高一貫校は非常に人気が集まっており、倍率も高いのですが、塾なしで合格することは十分可能です。

公立中高一貫校のテストは「適性検査」と言われています。

適性検査は私立中学の試験の内容と大きく異なり、基本は学校で学んだ範囲内で出題されます。

私立学校は教科書に載っていない知識を求められることがありますが、適性検査はそういった問題は少なく、与えられたグラフを読み解く力や、正しく文章を書く力が求められます。

その為、要領のよい子が塾どころか家庭学習もしないで合格した、という話は多くあります。

難関校の場合

御三家などと呼ばれるトップクラスの学校の場合はどうでしょうか?

合格する可能性は0ではないですが、家庭学習のみでは難しいです。

中には家庭学習のみで御三家クラスの学校に合格した子もいますので絶対に不可能ではないのですが、子供も親も相当努力する必要があります。

ただ冒頭でも触れましたが、勉学は得意だけれども家庭の事情で中学受験は諦めるという選択の幅が狭まるのは子供にとって不公平だと私は思っています。

次節からは〝どうすれば塾なしで難関校に合格する確率が上がるか?〟を考えていきます。

塾に通うメリット

どうすれば家庭学習のみで難関中学に合格できるか?を考える前に、まずは塾に通うメリットを考えてみます。

学習ペースの確立

私が息子に勉強を教えていると、その様子を見たママは「テキストあるなら、パパが全部教えれば良いじゃない?」と言ってくることがあります。

正直、テキストには解説もありますし、テキストや問題集さえあれば勉強の内容を教えることだけは可能です。

大手の塾が内部塾生だけに合格する秘密のノウハウを教えているということはありません。もしそのようなものがあれば、この情報社会で漏れないわけがありません。

それでも私が勉強を教えていて、塾には勝てないと思うところは「徹底した学習ペースの確立」です。

塾には回ごとにカリキュラムが組まれており、必ずそのペースで進んでいきます。例え学習の理解度が浅かろうが、やり残した問題があろうが、風邪で塾を休もうが、決められたペースで進んでいきます。

家庭学習の場合、子供とマンツーマンなのでそうは行きません。風邪で熱を出せば家庭学習はお休み、家族でお出かけして疲れたのでお休み、理解度が浅いので前回のおさらい、などとやっている内に当初、計画したペースよりどんどん遅れていきます。

逆に言えば、学習ペースの管理が出来る親は家庭学習の先生に向いているといえます。

程よい緊張感

家庭学習だと、どうしても子供の気が緩みがちです。分からなかったりした場合、聞きやすいなどのメリットもありますが、悪く言えば、なぁなぁの関係になってしまうのが親子の常です。

子供に付き添う時間が多く取れ、徹底した学習ペース管理、程よい緊張感を保てる親

具体的な家庭学習のやり方

家庭学習のやり方

①目標を決めゴールのレベルを知る

②短期間の目標を決める

③テキストや問題集の選定

④実際に③で選んだテキストや問題集で勉強を教える

⑤結果を見ながら、勉強方法のスタイルを変えていく

①目標を決めゴールのレベルを知る

子供の行きたい学校や親が希望する学校がある場合、その学校のレベルを知ることが大切です。ゴールを決めず漠然に勉強を教えていると親もどのレベルまで子供に勉強させれば良いか分かりません。

偏差値を調べても何も具体的なことは分かりませんので過去問題集の赤本を見てみましょう。

過去問を見て「自分で教えられそうなレベルか、子供が解けそうなレベルか」を考えます。

ただ始めに親が自分で教えるのは無理かも、と思っても、子供に勉強を教えていると親の勉強にもなりますので、そこまでシビアに考えなくても大丈夫です。

ちなみに早い段階で赤本を子供にやらせる必要はありません。あくまで親がゴールのレベルを知る為です。

②短期間の目標を決める

最終目標、ゴールのレベルが分かったら、そこから逆算してスケジュールと短期間の目標を決めます。

短期間の目標は各塾が主催する「全国テスト」を利用すると良いです。無料なので家計に優しいですし、現在の子供のレベルを知る少ない機会の一つです。

〇月のテストで偏差値70を目指す、などと短期間の目標を決め、そのテストから逆算してスケジュールを組んで下さい。

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③テキストや問題集の選定

短期間の目標が決まったらいよいよテキストと問題集の選定です。

(余談ですが、私はこのテキストの選定が一番好きで買い漁っています。選ぶ時が一番楽しいです。買う際に評価や内容も見ていますが、自分の目で確認したい性質なので結局は片っ端から購入しています)

テキストを選ぶさいは、目標のレベルにあった物を選びます。

④実際に勉強を教える

③で選定したテキストなどを用い、実際に勉強を教えます。

マンツーマンで勉強を教えていると、子供の新たな一面が見えると思います。得意なところ、物の考え方、集中力の深さ、良く観察し、その子にあった勉強スタイルを構築していきます。

子供に勉強を教えていると、忘れてしまったことを思い出したりして、親も子供と一緒に学んでいくことになります。

⑤結果を見ながら勉強のスタイルを変えていく

④で実際に勉強を教えていると、子供の特性が分かります。

その子にあった効率の良い勉強スタイルに変化させていきます。全国テストの結果などを見て、漢字が苦手だから漢字の時間を多めにしたり、集中力が長続きしない性格だから短時間で集中して取り組むなど、色々試してみて下さい。

これは一律に勉強を教えている塾では出来ない芸当で、家庭学習の一番のメリットです。

家庭学習で難関校を目指す意味はあるのか?

難関校をあえて家庭学習で目指すご家庭は2パターンあると思います。

まずは単純に塾スタイルが合わないで家庭学習に切り替えたタイプ。もう一つは家計が厳しく塾に通わせるのを断念したタイプです。

後者の場合、塾に通わせる費用は節約したいけれど難関校に合格した場合は私立中学の費用は捻出できるというのが条件になってきます。私立と公立の学費については下記、記事を見てみて下さい。

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中学受験の経験は役に立つ

家庭学習で難関校に挑戦するのは難しいことですが、子供が勉強を好きだったり、才能があったりするのならばチャレンジする価値はあると思います。

子供の才能を活かすのは親の役目です。勉強の才能がある子を家庭の事情で中学受験をはなから断念するということは子供の選択肢を減らすことに繋がりかねません。特待制度のある学校や公立の中高一貫校など費用の少ない学校もあります。

もちろん中学受験をすれば不合格になることもあるでしょう。ただ親子で一緒に頑張った時間が無駄になるわけではありません。身についた知識はその子の財産になります、次ステップである高校受験、大学受験に役に立つことでしょう。

そう考えれば、塾なし中学受験もチャレンジしてみる価値は大いにあると言えます。

 

 

 

 

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