偏差値70を取る子は地頭の差!?は、真っ赤な嘘

〝最難関校に入る子は地頭の良い子だけ。そういう子達は難問も涼しい顔でスラスラ解いちゃう〟、、、だとか、

〝偏差値70を取る子は楽しそうに勉強している、うちの子とは持っているものが違う〟、、、だとか、

〝普通の子が努力しても偏差値60台後半が限界、頭の良い子は簡単に高得点とって凄い〟、、、だとか、

そのような話を聞くことがあります。

要するに勉強は先天的な才能が大きい。と主張です。

偏差値70というのは、上位2%です。100人に2人、50人に1人の割合です。その枠は生まれつきの地頭で決まっているのでしょうか?

私はそうは思っていません。

もちろん勉強には地頭の良さは影響するでしょうが、ただそれ以上に後天的な努力やそれまで培ってきた勉強の差が大きく影響すると考えます。

私がそう考える理由は、中学受験に関わる一つのデータがあるからです。

トップ集団の子がトップにいる現象

某大手塾では4年生の時点でトップクラスに在籍した子が最後までトップクラスを維持する割合は80%です。

20%の子は変動するのですが、その内のほとんどは4年生の内にクラスの入れ替えが起きます。5年生になると、徐々にクラスの固定化が進み、6年生になるとトップ集団はほぼ固定になります。

このデータをもとに勉強は先天的なものが大きいか、後天的なものが大きいか考えてみます。

勉強は先天的なものが大きいと考えた場合

①4年生の時点で地頭の良い子がトップクラス在籍(80%固定)

②今まで勉強をしていなかった地頭の良い子が下位クラスから頭角を現し、トップクラスへ昇格

勉強は後天的なものが大きいと考えた場合

①´4年生の時点で今までコツコツと努力(勉強)をしてきた子がトップクラス在籍(80%固定)

②今まで勉強をしていなかった地頭の良い子が下位クラスから頭角を現し、トップクラスへ昇格

データからの推測

勉強が先天的なものが大きいと考えた場合、私が疑問に思うのは①4年生の時点で地頭の良い子がトップクラス在籍(80%固定)というポイントです。

まずはっきり分かっていることは、どんなに地頭の良い子でも、勉強しないと学力は向上しないということです。いくら天才的な脳を持っていても、漢字を自分で作り出すことは出来ないし、九九も自分で編み出すことは不可能です。

中学受験は学校の勉強とは別物で特殊な世界です。どんなに賢い子でも、自力でつるかめ算を編み出すことは出来ないでしょうし、初見の問題で時計算を思いつくことはないでしょう。

独特な問題が多い中学受験向けのテストを、地頭が良いからと言って勉強もせず、高得点を取るとは考えにくいです。

また80%固定という数字も矛盾が生じます。もし先天的要素が大きいのなら、今まで勉強をあまりしてこなかった地頭の良い子達は入塾してからどんどん成績が上がり、トップクラスの入れ替え割合が20%ではなく、もっと高い数字になるはずです。

上記のような例を考えるなら、①´4年生の時点で今までコツコツと努力(勉強)をしてきた子がトップクラス在籍(80%固定)の方が納得できます。

そしてコツコツと努力してきたものが、トップクラスに在籍後もコツコツと勉強を続け、80%の子が成績を維持している。と、考えた方が説得力があります。

自分の子の天井を親が決めてはいけない

〝うちの子は偏差値〇〇くらいが限界だろう。〟だとか、〝息子は〇〇中学校には頑張っても合格しないだろう。〟とか、自分の子供の天井を親が決めないで下さい。

中学受験は親しだい。という格言もあります。親が子供の限界を早々に決めつけてしまっては、その子の成長も止まってしまいます。

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テストの結果の見方を変わってくる

学力は先天的なものが大きいと思われている方は、全国1位の子を見ても「あの子は全国で1番か、凄いな。生まれつきの才能だな。」と考えることでしょう。

一方、学力を後天的なものが大きいと思われている方は、「あの子が全国1番か。いったいどのような勉強の仕方をしているんだろう?うちの子の勉強に役立つことはないかな?」と、考えます。

どちらの考え方をすれば、子供の成績が上がるのかは一目瞭然です。

個性に適した勉強方法を

兄弟のお子さんをお持ちの親御さんに多いのですが、「兄と弟に同じように勉強を指導してきたけど、兄は優秀。弟はサッパリ。同じ教育して差が出たのだから生まれつきの差ね。」という方もいました。

同じような教育をしても、同じ成績にはなりません。子供には性格の違い、集中力の違い、などの様々な個性があります。

兄に通用した指導方法が、弟に向いていなかったのかもしれません。

すました顔の裏で

難関学校を入学する子や、偏差値のトップを取る子はすました顔で高得点を取っているように見えますが、その裏で必死に勉強をしているのではないでしょうか。

そして、その子の親は「うちの子、ゲームばかりして困っちゃう。オホホ」と、すました顔で言いながら、家の中では子供と一緒に必死で勉強机に座っているのかもしれません。

もし、仮にそういう世界があったとしても、勉強の差は生まれつきの差だと認識している方には、一生見ることも、知りもしない世界のお話です。

まとめ

勉強には先天性のものが影響していることは事実ですが、後天的な要素も非常に大切です。

日々のコツコツとした努力、効率の良い学習方法、その子にあった勉強方法などを取り入れれば、子供の成績は必ず伸びます。

親が自分の子供の天井を決めることは禁物です。親が子供の限界を見極めた時点で、後天的な要素の成長がストップしてしまうだけでなく、先天性の力も最大限に引き上げることが出来ずにそこで成長が止まってしまう可能性があります。

思うように成績が上がらない時が来ても、この子の限界だ。と思わず、よりよい方法はないか、必死に考えてみて下さい。

〝偏差値70を取る子は地頭の差〟と発言する前に、親子で出来る限りのことをやってみましたか?

必死にもがいて、やれることは全てやり、偏差値70を取る子と、同等かそれ以上の努力をして、それでも成績が上がらなかった時に、〝偏差値70を取る子は地頭の差〟と初めて言えるのだと思います。

 

 

 

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