塾の先生達は口を揃えて「中学受験の偏差値50は全国の小学生の偏差値60代後半ある。」とか、「中学受験の偏差値40は成績優秀な部類です。」とか、言うことがありますが、その言葉には大いに違和感があります。
〝飛び交う情報を信じるな〟の記事にも掲載しましたが、数字は簡単に操作出来てしまい、意図したいデータに作り上げることが可能です。
今回は、中学受験界隈にまことしやかに囁かれている〝中学受験の偏差値は上位
〟というカラクリに迫りたいと思います。
中学受験の偏差値の謎
〝中学受験の偏差値50は上位〟と主張している方たちは、下の図のような分布図をイメージして説明しています。
中学受験を受ける小学生は全国の小学生の成績上位陣です。この上位陣の中の偏差値50なんだから成績優秀という理論です。
中学受験を受ける層とは?
上節のピラミッドに違和感を感じずにいられません。
このピラミッドだと全国の成績上位者のみが、中学受験を受けることになっています。
もし中学受験が小学校の担任の先生の推薦制度で「この子は成績優秀だから中学受験に推薦しよう。」という形でしたら、この理論は納得できますが、実際は違いますよね?
成績に関係なく、家庭の事情や親の考えのもと中学受験に挑まれる子たちが大半です。
歩いている子と走っている子
学校の勉強と中学受験の勉強は別物です。普通に学校に通っている子は、〝つるかめ算〟や、〝旅人算〟の存在は知りません。
そもそも彼らは、中学受験というレースに参加していません。
例を挙げると、学校の遠足で目的地に向かって歩いていたら、一部の集団が走り出し、一部の集団達だけで目的地に早くついた、遅かった。と騒いでるようなもんです。
「走った子の中では遅かったけれど、歩いている子よりは早く着いた。」と、主張しても、レースに参加せず歩いていた集団からすると、「何、勝手に走って、勝ったとか言ってるの?」とポカーンと戸惑うだけです。
意図的に数字をいじっている理由
上節で説明した話は、〝中学受験の偏差値50は上位〟と主張している方々も理解しているはずです。
彼らは意図的に〝中学受験の偏差値50は上位〟と発言しているのです。また、一部の人間はその言葉を信じ、周りに吹聴します。そうして〝中学受験の偏差値50は上位〟という言葉が1人歩きしていきます。
発信者はなぜ〝中学受験の偏差値50は上位〟と言うのでしょうか?
それは発言する人の背景によって変わってくるのですが、塾の講師の場合、〝塾で成績が上がらなかった生徒への言い訳〟です。要するに、塾に通っても偏差値50、あるいはそれ以下の子に向かって〝塾が悪いんじゃない。中学受験の偏差値50は凄いんだから〟と主張したいからです。
他にも、子供への優しさもあるのでしょう。勉強を頑張っている子に、〝中学受験の偏差値50は凄い〟と勇気づけたり、自信を持たしたり、慰めたり、そういった背景があるのでしょう。
実際の分布図
では、中学受験と全国の小学生の実際に分布図はどのような形でしょうか?
上記のように、中学受験をする層は、ピラミッドの上位に位置するのでなく、全国の小学生と似たような形になるはずです。
中学受験の偏差値50は実際いくらなのか?【結論】
結論を言ってしまうと、中学受験の偏差値50という数字から分かることは、中学受験を受ける層で偏差値50ということしか分かりません。
それ以上でも、それ以下でもないのです。それを中学受験を受けない層と比べて、あーだこーだと言うから矛盾が生じるのです。
強引に仮定して考えてみる
上節の結論だと納得しない方も大勢いると思いますので、仮に全国の小学生が同じレースに参加した場合、中学受験の偏差値50組はどの程度の偏差値になるか考えてみます。(あまり意味はないですが、、。)
〝中学受験を考えていても思うように成績が上がらず途中で脱落する子達がいること〟、〝成績が優秀だから中学受験を考えた子供もいること〟、〝中学受験をしようとしている家庭は教育熱心で教育費にお金が掛けられること〟、などを考えると、偏差値50より下回ることはないはずです。ただし、中学受験界隈で言われている〝中学受験の偏差値50は上位〟ということにもなりません。
まとめ
ネットの世界には中学受験の情報、効率的な勉強方法、成績を上げる方法など数多くの情報が飛び交っています。中には正反対の主張をしている内容の記事もあります。 そういう時、私たちは何を信じれば良いのでしょうか? 私の場合、世の中に飛び交っているあ[…]
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