中学受験はスタートダッシュが大事【4年生の偏差値が重要な6つの理由】

塾の先生達や、中学受験対策の本などでは「4年生の時の偏差値は気にしないで良い。」「これからの3年間で成績が上がるから問題ない。」と言われています。、、、が、本当にそうでしょうか?

実は新4年生の成績は中学受験に大きく影響します。

今回のテーマは一般的に言われていることと逆の内容ですし、今まで聞いてきた話と違うと思われた方もいると思います。今回は何故、4年生の成績が重要なのか?を分かり易く解析、掘り下げてみたいと思います。

4年生の成績が重要な6つの理由

一般的に4年生の成績は気にしないで良い。と言われていますが、全然そんなことはありません。

むしろ4年生の時点で中学受験の結果が決まってくると言っても過言ではないのです。

塾では4年生の時点でクラス分けが行われる

中学受験を目指すお子様は新4年生から入塾する場合が多いのですが、入塾した時点で成績順にクラス分けが行われます。

クラス分けのテストは定期的に行われるのですが、某大手塾の場合、4年生時にトップクラスだった子の80%が最後までトップクラスを維持します。

普段から成績が上位な子はトップクラスの授業を受けていて、それ以外の子はレベルにあった授業を受けています。授業の内容は進捗度もその分、変わってくるので成績の固定化が進むのはある意味、当然かもしれません。(そういった理由で最近は低学年の内から塾に通わせるご家庭も増えてきました。)

ただ残りの20%の子はトップクラスから転落してしまいます。逆に考えれば下位クラスからトップクラスに上がる子も同じ数だけいるわけで、始めにトップクラスに入れなかったとしても諦める必要は全然ありません。

常連組の存在

全国テストには常連組と言われるお子様たちがいます。

常連組とは、常にテストでトップクラスの順位を取る常連の子ども達のことです。

この子達は毎回、安定して成績上位を取れる子達です。常連組の存在も成績の固定化の証明になります。

下剋上受験、ビリギャルの存在

この記事の内容を読んで、下剋上受験やビリギャルなど、実際に下位からトップへ上りつめた例があるじゃないか?と疑問を持たれた人もいると思います。

実は、下剋上受験やビリギャルのヒットの存在も成績の固定化を裏付ける存在になります。

なぜなら、下剋上受験やビリギャルのような現象が当たり前のことなら映画やドラマになりませんよね。これらは稀有な例だったので世間の注目を集め、ヒットに繋がったのです。

4年生の時点でトップクラスだった子が、毎日努力して塾に通って成績を維持してトップクラスの中学校に合格しました。という、普通のお話だったら誰も見たがらないでしょう。

勉強は積み重ねが大事

勉強の基本は日々の積み重ねです。

4年生の時点でトップを取れる子は毎日、コツコツ勉強をしてきているはずです。それは地頭が良い子も同じでしょう。中学受験や全国テストは地頭だけでトップを取れる生易しいものではありません。それ以上に毎日コツコツ努力が出来るということの方が重要です。

4年生の時点でトップを取れるということは、それまでに他の子以上に勉強をしてきています。またその差以上に大きいのは、4年生でトップを取れる=努力が出来る子が確定しているということです。

勉強はやれば出来る子が大半ですが、勉強をやらない子(努力が苦手な子)も一定数います。

逆に言えば今まで勉強をあまりしてこなかったけれど努力が出来る子でしたら、4年生以降の挽回も大いに望めます。

子供には特性がある

上節の努力が出来る子、出来ない子などもそうですが、お子さんにはその子の持った特性があります。

中学受験は6年生にもなると、休みの日は1日に15時間も勉強する子も大勢います。24時間の内15時間ですから、睡眠、食事、お風呂以外は勉強しているようなもんでしょう。

本当に昨今の過酷な中学受験を頑張るお子様には頭が下がる思いです。

ただ人には特性といったものがあり、全ての子が1日15時間も勉強を出来るか?と言ったら、決してそんなことはありません。少なくとも私には絶対に無理です。

特性的に先行逃げ切りタイプの子や、怒涛の追い上げタイプの子など様々だと思います。理想はどちらも備えた万能型です。ただ6年生で追い上げれば良いと思っていたら、実際には先行逃げ切りが得意なタイプの子だったと判明しても4年生には戻れません。

そういうリスクを考えたら、4年生の時点からコツコツと勉強をしておいた方が安全です。

中学受験をマラソンで例えると

42.195kmのマラソンで例えると、新4年生の時点では10kmも走っていない状態です。5km地点かもしれません。それでも5km地点でトップ集団を走っているということは大きなアドバンテージに繋がると思いませんか?

中には恐ろしいくらい地頭の良い子や、怒涛の追い上げで一気に抜き去っている子がいるかもしれません。ただ少なくとも自分と同じペースで走っている子にはアドバンテージのおかげで抜かれることはありません。

その子の持った力を最大限に活かし、ゴールまでペースを守りましょう。

 

4年生の成績が重要性のまとめ

今回の記事は中学受験界隈で言われている事と逆の内容でしたが、私的には当たり前の事しか書いていません。

それではなぜ、塾の先生たちは本当のことを言わないのか?と考えてみたのですが、「4年生の成績は重要。」と言ってしまったら、成績の悪い子たちは入塾をためらいますよね。また、今回の記事にも触れましたが、6年生になると1日10時間以上、猛勉強して成績を一気に上げてくる子も沢山います。そういった子達を知るからこその発言なんでしょうね。

ただそれは誰もが出来る芸当ではありません。勉強は毎日コツコツやる方が圧倒的に大事です。

中学受験を検討しているようでしたら低学年の内から勉強の慣習化を身につけるようにしましょう。

ただこの記事をご覧になってる時点で5年生や6年生のお子さんや、お子さんを持ったご家庭もいると思います。そういった場合でも諦める必要はありません。

記事でも触れましたが

〇毎日、努力が出来る子

〇1日何時間も勉強できる追い上げタイプの子

の場合、挽回は大いに可能です。最後の1日まで諦めずに頑張りましょう。

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中学受験コム編集長のしんやです。 当サイトでは息子の〝受験奮闘記〟を担当しています。よろしくお願いします。 私は〝子供のタイプは様々、その子供にあった勉強スタイルが重要〟と考えていて、大勢を一律で指導に当たる塾よりも家庭学習の時間を大切にし[…]